給湯器が故障したら?チェック個所と対処方法
もしも、給湯器に何らかの不具合が出た時、何が原因となっているかにより適切な対処方法があります。
危険な状態であると確認できた場合は、早急な対応を行わなければ、一酸化炭素中毒や火災・漏電などの事故が起こる可能性もあります。
まずはどのようなトラブルが起きているか確認し、できる限りの対処方法を実践してください。
その後、メーカーや弊社までご相談いただければスムーズな対応が可能になることでしょう。
給湯器は、ガスまたは石油、電気、水を扱う機器です。壊れたままの状態を放置すると、最悪の場合は人体に悪影響を及ぼす事態になりかねません。
早め早めの確認と、古い機器の交換を考えていきましょう。
まずはよく起きる給湯器のトラブルから見ていきましょう。
トラブルケース1:お湯が出ない
給湯器のお湯が出なくなってしまった時、考えられる原因は以下のようなことがあります。
ガスや電気・水道の供給がストップしている
例えばガス料金、電気料金、水道料金の支払いが滞った場合、供給が止められている可能性があります。そのほかにも、水道工事やガス工事で建物の断水処置がなされている場合もございます。給湯器以外の機器も動作しない場合はこちらの原因が考えられますので、ガス会社・電力会社・水道会社、または近くで工事を行っているお知らせがないかチェックしましょう。
台風・地震などの自然災害により安全装置が作動している
強い風雨、地震などが起きた際に、給湯器の安全装置が作動しお湯が出なくなります。この場合は安全が確認されたのち、給湯器の復旧処置を行ってください。
ガスメーターを確認し、ランプが点灯している場合は安全装置が作動しています。
まずはすべてのガス栓を閉めます(ガスメーターのガス栓は閉めません)。復帰スイッチのキャップがあれば左回しで外します。
復帰スイッチを2~3秒強く押し、ランプがチカチカと点滅に変わりますので手を放してください。
3分経過するまでにガス漏れがないかを確認し、点滅が終わればキャップを取り付けて復旧完了です。
再度点滅する場合にはもう一度すべてのガス栓の閉め忘れが無いか確認し同じ作業を行ってください。
復旧しない場合は、何らかの異常が起きていますので、すぐにガス会社へ連絡しましょう。
配管から水が漏れている
給湯器へつながる配管から水が漏れている場合、必要な水が供給されずお湯が作れない状態になっています。水漏れがないか確認し、水道管の修理または交換を行うため、水道業者の水猿までお気軽にご相談ください。
蛇口が壊れている
一部の蛇口だけお湯が出なくなっている場合は、蛇口の故障が考えられます。蛇口の修理または交換を行うことで解消されますので、水猿までお気軽にご相談ください。
給湯器が故障している
10年以上経過した給湯器によく起こる故障です。給湯器の制御装置・制御基板など、本体が故障している場合で、完全にお湯が出なくなっているのであれば本体が寿命を迎えています。本体の交換をお考え下さい。
トラブルケース2:温度の変更がきかない
リモコンで給湯器の設定温度を上げたり下げたりしても、お湯の温度が全く変わらなかったり、温度がバラバラで不安定な状態になっている、などのトラブルについては以下のような原因が考えられます。
優先ボタンが押されている・リモコンが壊れている
例えば浴室リモコンの優先ボタンが押されている場合は、台所リモコンでの温度変更が出来なくなります。
またリモコン操作が出来ない場合などはリモコンが故障している可能性も考えられます。エラー番号が出ている場合は、給湯器の故障原因を示している為、番号の内容を確認して対処しましょう。「 給湯器のエラーコード 」
蛇口が壊れている
一部の蛇口で温度の変更が出来ない場合、蛇口の故障も考えられます。蛇口で温度の変更が出来るサーモスタット水栓や混合水栓などをご使用の場合は、交換することで解消できる場合もあります。
また、シャワーを止めてから再び出した際に、熱いお湯が出て冷たい水が出てその後適温がでるという症状が出ている場合は「冷水サンドイッチ現象」が起きています。これは給湯器の仕様上仕方がないことではありますが、「Q機能」が搭載された給湯器へ交換することで解消されます。交換の際はご検討ください。
給湯器が壊れている
給湯器の中の温度を制御する部品が壊れていると、お湯の温度を安定させることが出来なくなり、ゆくゆくはお湯が全く作られなくなるでしょう。10年以上使用した古い機器の多い症状ですので、お湯が出なくなってしまう前に早めに本体交換を考えておくと良いでしょう。
トラブルケース3:追い焚きが出来なくなった
追い焚きはスイッチを押すことで自動で浴槽の温度を温める機能です。追い焚き管の中へ浴槽のお湯が入り、温度センサー等の装置が検知し設定した温度まで沸き上げていきます。追い焚きが出来なくなる原因としては以下のようなことが考えられます。
循環するためのお湯が浴槽にたまっていない
お湯は追い焚き管を取って機器内で温められるため、浴槽にお湯が溜まっていない場合に空焚きが起きてしまいます。そのため安全装置が作動し、給湯器のリモコンにエラーが出て、追い焚きをストップします。エラーが出ている場合は再起動し、お風呂に適切な量のお湯をためるか、お湯はりでお湯をためてください。
追い焚き管のフィルターが詰まっている
追い焚き管は浴槽に取り付けられているカバーを外して中を確認できます。中にあるフィルターにゴミやヘアピン・髪の毛・せっけんカスなどが溜まると、水量・温度センサー等の装置が正常に作動せず、追い焚きが途中でストップする、追い焚きが出来なくなる場合があります。
お風呂を掃除する際は、たまにフィルターを外してゴミを取り除くようにしましょう。
給湯器が故障している
給湯器が故障すると、正常に制御・作動せず追い焚きが出来なくなります。給湯器のメーカーへ連絡するか、古い機器の場合は交換もお考え下さい。
トラブルケース4:お湯はりが出来なくなった
お湯はりは、スイッチを押すことで追い焚き配管からお湯が出てくる仕組みになっています。もし給湯優先スイッチが入っていれば、途中でストップすることがありますが、給湯をやめると通常通りお湯はりが再開されます。
以前にようにお湯はりが出来なくなった場合は、以下のような原因が考えられます。
追い焚き配管にゴミが詰まっている
追い焚き配管のフィルターにゴミや髪の毛などが詰まっていると、正常に湯量・湯温を検知できず、お湯はりが途中でストップしたりお湯はりの温度にバラつきがでることがありますので、定期的に掃除するよう心がけてください。
水漏れが起きている
お湯はり・追い焚きを行う配管から水漏れしている場合に、お湯はりが出来なくなることがあります。水漏れが起きていないか確認してみましょう。水漏れ個所の特定、配管の交換が必要になる場合がありますので、わからない時は水回りの専門業者・水猿にお任せください。
給湯器が壊れている
給湯器の部品が故障している、制御基板の故障も考えられます。特に老朽化している給湯器の場合は交換時期となりますので、本体交換をお考え下さい。
トラブルケース5:エラーが出ている
給湯器は、本体の異常・各センサーの異常を検知すると、エラー番号をリモコンに表示し、運転をストップします。エラー番号からどのようなトラブルが起きているか判断ができます。
エラーについてはコチラからご確認ください。[給湯器のエラーコード]
もしエラーが出ているのであれば、以下のような対策を行ってみましょう。
ガス供給の確認を行う
ガスが正しく供給されているか確認しましょう。安全装置が働いている場合は復旧作業を行ってください。
コンセントを抜いてリセットする
一時的なエラーの場合、本体をリセットすることでトラブルが解消出来る場合があります。給湯器には運転スイッチがないため、リセットするには屋外の給湯器に接続されているコンセントを抜きさしします。
マンションなどでコンセントと給湯器が接続されていない場合は、ブレーカーを落とします。その前に、電気を使用している機器の電源を必ず切っておきましょう。
またコンセントリセットを行っても、エラーが再度出るようであればメーカーへ状況を確認してもらう必要があるでしょう。もし機器が古くなっている場合は交換を行ってもいいかと思います。
トラブルケース6:給湯器から大きな音がする
給湯器には通常の場合でも動作音がある程度出ますが、最近音が大きくなった、ゴオオオオ・ピーピーといった音がするなど、異音がするようであれば機器何らかの異常が出ています。部品が故障し部品同士がぶつかっている音、ガス量・水量の異常、またボンッボンッと爆発したような音は不完全燃焼を起こしている場合もあります。すぐにメーカーへ点検を依頼し、本体交換もお考え下さい。
トラブルケース7:給湯器の汚れ、焦げ・ススがついている
給湯器が古くなり内部まで水が入り込むと、錆や腐食が進み、カバーがボロボロになります。そうなると、さらにその腐食した部分から水が浸み込み、機器を傷め、漏電を起こすことがあります。また、不完全燃焼状態になりひどくなると機器から黒い煙が出て、排気口付近をススで汚していきます。放置すると、火災の危険もあり、不完全燃焼により一酸化炭素中毒を起こす危険が高いため、すぐにでも本体交換をお考えいただくようお願いいたします。
トラブルケース8:給湯器が凍結した
給湯器にはあらかじめ凍結防止のヒーターがついているため、追い焚き管や給湯器本体の凍結を防ぐことができますが、給湯器へ水・お湯を送る配管は凍結する可能性があります。万が一凍結した場合は以下のような対処を行ってください。
自然に解凍されるのを待つ
まずは給湯器の運転スイッチを切ります(コンセントは抜かないでください)。一時的な寒波により凍結してしまった場合、自然に解凍されるのを待ってみましょう。また、自然解凍されたあとは、凍結により配管が破損していないかの確認を行ってください。万が一破損していた場合、そこから漏水します。
配管にお湯をかけたりドライヤーで温める場合、配管が破損・パッキンが破損することもありますのでご注意ください。もし温めたい場合は、タオルを配管に巻き、そこに30℃~40℃のお湯をしみこませ水が流れる音がするか確認しましょう。水が流れたのが確認出来たらタオルを外し、付着した水滴を乾いたタオルでふき取りましょう。
給湯器には電気コードやコンセントがありますので、水がかからないように注意してください。また誤ってガス栓に巻かないように注意してください。
再び凍結しない為に対策を行ってください
むき出しの配管はやはり寒波の影響を受けやすいため、保温材を巻く・カバーをつけるといった対策が必要です。間違っても給湯器全体を覆うようなカバーをつけてはいけません。配管部分を隠す専用のカバーを取り付けましょう。また交換工事を行う際、水猿では屋外給湯器に保温材を巻く作業を行っています。
まとめ
このように、トラブルの原因はいくつかあり、さらに原因となっている部品の個所を特定する必要もあります。
壊れている個所が確認できれば、その部品を修理することでトラブルを解消することは可能ですが、給湯器本体が10年以上使用されている場合には、修理が難しくなります。修理の個所が増えると、修理の費用ももちろん高くなります。また古い給湯器の場合は、メーカーが修理部品を保有する期間が過ぎており、新しい品番の後継機種への交換が必要になってくるのです。
もちろん長く使えるに越したことはありませんが、壊れた状態での使用は安全性に問題があります。10年経過している場合には修理より本体交換をオススメします。